漁師まち・波崎が、一年で最も熱を帯びる2日間。
それが、大潮祭(おおしおまつり)です。
大潮祭は旧暦の6月15日に近い土・日曜日で行われ、
航海の安全や豊漁を祈願する漁師文化に根ざしたお祭りです。
今年は7月26日(土)・27(日)に開催されました。
海と生きてきたまちがその誇りと魂をぶつけ合う様子はまさに“海の祭典”。
この祭りを見ずして、神栖の夏は語れません。
海の神に捧げる、千年以上の熱狂
会場となるのは、神栖市波崎の氏神・手子后(てごさき)神社。
奈良時代創建と伝わる由緒正しき神社で、
航海の安全と豊漁を祈願する大潮祭は、地域の誇りそのもの。
江戸時代から続く神輿渡御(みこしとぎょ)は、
手子后神社から波崎漁港まで威勢の良い掛け声ととも神輿が練り歩き、
沿道の観客と担ぎ手が一体となって祭りを盛り上げます。
神輿渡御の休憩時間中は纏(まとい)振りを披露。
荒々しくも美しい見事な纏振りに観客も惚れ惚れしていました。
まち全体が揺れる「あばれ太鼓」
神輿を先導するのは、勇ましい「あばれ太鼓」。
太鼓を抱えた若者たちが、跳ね、揺れ、声を張り上げながら演奏します。
太鼓と曲で、荒れたり穏やかになったりする海の様子を表現するのが最大の特長です。
担ぎ手たちの掛け声、観客の歓声、太鼓の重低音が交錯する迫力は、
まるでまちが振動しているかのよう!
安全と豊漁を祈願
はさき漁協第一魚市場では御祈祷の他に、
海水をお神酒に見立てた「お塩汲みの儀」と呼ばれる神事が行われ、
航海の安全と今年の豊漁を祈願しました。
会場では色とりどりの大漁旗がはためくなか、
少年鳴物競演会や手踊りが披露され、見る者を圧倒します。
漁と密接な関係を持つ地域ならではの独特な雰囲気が満載です。
フィナーレ
日が暮れるとフィナーレへ向けて会場は更にヒートアップ!
神輿を担ぐ人々やたくさんの観客から大きな声援や掛け声が飛び交います。
会場全体が熱気に満たされるなか、
今年も無事に神輿は手子后神社に御宮入りしました。
神輿が舞い、太鼓が叫び、夏が弾ける——
大潮祭は、海と共に生きてきた人々の
祈りと誇り、そして絆が形になった熱い2日間でした。