自転車と食で神栖を楽しむ——ライドイート神栖

コト

自転車で移動して地のものを味わう。
そうすることで、その土地のことを深く感じることができるんじゃないか?
RIDEat Kamisuはそんな考えで生まれた。
塩サバをグリルして、クロワッサンに挟んで、bon appétit!(いただきます!)

(この記事は筑波大学 芸術系 原研究室 PLAY RESILIENCE Lab.・竈プロジェクトが発行した「ライドイート神栖―おいしい自転車マガジン」を抜粋・加筆・修正し、掲載しています)

Day1

DATE:March 18, 2021  WEATHER:Cloudy
一日目の地図
「自転車屋台でサバサンドをつくったら楽しいし、絵になるんじゃない?」

神栖市役所政策企画課、パシフィックコンサルタンツの自転車利活用推進メンバー、筑波大生が神栖市での自転車活用推進のイメージを共有するワークショップで出たアイデアだ。

そのアイデアを実現するために、トラックにカーゴバイク(貨物用自転車)を積込みいざ神栖へ。食材調達、調理、もちろん食べるところまで自転車でやってみよう!という企画がスタートした。

初日は食材の仕込みやキャンプの準備であっという間に時間が過ぎていった。火を囲んで夕食をとり、持参したマシュマロを焼くことも忘れて眠りについた。

 

レンタサイクルでミニベロを借りる様子

レンタサイクルでBianchiのミニベロを借りる
鹿島セントラルホテル 神栖市大野原4-7-11
0299-95-5511
茨城県広域レンタサイクル予約サイト
https://www.ringringroad.com/rentalcycle/

 

野菜調達をする様子

野菜調達チームはオランダ製のカーゴバイク「バックフィーツ」で八百屋さんへ。
旬の野菜とレモンを購入。
丸屋青果 神栖市神栖1-5-1
0299-92-0355

 

1000人画廊

壁画と風車が織りなす海岸線の景色をみながら、サバ調達チームは波崎へ。
1000人画廊/ウィンドパワーかみす 神栖市南浜

 

津久文水産

鯖山漬け吊干し

津久文水産で塩サバを購入 右:津久文水産独自の製法「鯖山漬け吊り干」 左:伝統のつけ汁を混ぜる津久浦社長 輪切りのグリルがオススメ。表面を軽く炙って薄く削いで食べるのも◎
津久文水産 神栖市波崎8951-1 ※2022年7月頃に閉業しました。
0479-44-0800

 

波崎漁港と常陸川水門前

波崎漁港(右)、常陸川水門前(左)を通って日川浜オートキャンプ場へ戻る。神栖は大きい!

 

キャンプサイト
鯖山漬け吊り干のグリルと大鍋でつくる菜花のパスタ

すぐにゴロゴロできるグランピングサイト。晩ごはんは、鯖山漬け吊り干のグリルと大鍋でつくる菜花のパスタ。
神栖市営日川浜オートキャンプ場 神栖市日川2036-124
0299-97-0567

 

Day2

DATE:March 19, 2021 WEATHER:Rainy/Sunny
二日目の地図
眠い目を擦りながら、早朝の街を自転車で走る。パン屋さんでクロワッサンを購入。混みはじめたクルマの列を横目に見ながらキャンプ場へ戻る。

塩サバを直火でグリルしてサンドイッチをつくる。思ったより洋風に仕上がった。ケイパーとサバの相性が良い。

午後は、自転車で市内を散策しながら和菓子屋さんを探した。お菓子を食べながら中央公園でのんびり過ごす。3月の風はまだ冷たかった。

 

サバサンド

左:カーゴバイクの天板が調理にちょうど良い高さ。右:クロワッサンバージョンのサバサンド。クロワッサンの甘みとサバの塩気がベストマッチ。

 

パン屋クロワッサン

朝5時から開いているあたたかくノスタルジックな雰囲気のパン屋さん。サンドイッチ用のクロワッサンと、すぐ食べられる菓子パンを購入。
クロワッサン 神栖市大野原4-2-33
0299-92-8353

 

和菓子屋

自転車で街を散策しながらお菓子屋さんを探す。

 

すずめの里

和モダンの佇まいとフレンドリーな店員さんに癒された。旬のいちご大福はとってもジューシー!
すずめの里 神栖市神栖2-16-12
0299-77-9733

 

桜餅や草餅

春らしい桜餅や草餅をチョイス。名物のメロンパンは売り切れでした…次回はもっと早い時間に行きたい。
幸鹿堂大野原店 神栖市大野原3-2-1
0299-92-5150

 

カーゴバイク

中央公園でのんびり

中央公園でのんびり。子どもたちはカーゴバイクに興味津々。
かみす防災アリーナ / 中央公園  神栖市木崎1219-7
0299-77-5400

 

私のKamisu

工場-空。風車-海岸線。
大きな風景の中、自転車を漕いだ。
参加した学生たちが神栖の印象を綴る。

堤防に並ぶ人たち

風を感じる場所

以前ブランディングデザイン演習という授業で、神栖の自転車活用推進のビジュアルを制作した。当時はコロナの影響で現地調査を断念したので、今回が初めての神栖訪問だった。

実際に訪れてみて、想像以上に整備されているなと驚いた。道が広く綺麗で、自転車で走りやすい。気持ちよく風をきれた。アイコンを神栖の「風」をモチーフに作っていたので、ピッタリ!

街の感じが、地元(浜松)にちょっと似ていたかも。茨城県で似たような街並みを見ることになると思っていなかったので、驚きと懐かしさを感じた。今度は晴れた日に自転車で走りたい。(伊藤栞)

オリジナルサコッシュ

左: ブランディング演習で開発されたサコッシュ。風に乗って走る自転車がモチーフ。
右: サコッシュと共通のモチーフが使われたパンフレットの表紙

 

自転車で滑走する仲間たち

漕ぎ出しが軽いと自転車が楽しい !

道路がフラットで坂があまりないので、とても自転車が漕ぎやすかった。

私は普段ママチャリに乗っているが、レンタサイクルでお借りしたミニベロに乗ってみたら、漕ぎ出しの軽さや加速に感動して、普段より自転車を漕ぐことが楽しく感じられた。ママチャリにしか乗ったことがない人や、普段自転車に乗らない人はぜひ一度レンタサイクルを利用して自転車の魅力を体感してみてほしい。

神栖は背の高い建物が少なく、太陽の光や風を感じながら走行することができるため、車よりも気持ちよく健康的に移動できると思う。海沿いの道を通れば、海や風車を横目に移動できる点も魅力的で羨ましい。

また, 自転車で調達した材料で作ったサバサンドが想像以上に美味しくて感動した。美味しいものを食べて自転車を漕ぐと心も身体も健康的になった気がする。(和田すみれ)

 

津久文水産の社長

おおきな景色とフレンドリーな人々

工場、風車、海、全体的に広々としていて規模が大きい。ずっしりとしつつ解放感のあるサラッとした気持ちの良さも感じられる場所だった。

取材を経て、その気持ちの良さは景色だけでなく、神栖の「人」にも共通する魅力だなと感じた。

活動に興味を持って沢山質問してくれる方が多かった。皆さんすごくフレンドリーで、新しい事に対して不審がらずに興味を持って、積極的に受け入れ関わろうとしてくれている感じがすごく伝わってきた。

津久文水産の社長さんのサバに全身全霊を注いで日々を過ごしている熱意のこもったお話もとても印象的で、そのフレンドリーで明るい人柄と思いやこだわりの強さに心打たれた。

神栖市は人があたたかいだけでなく、チャレンジ精神旺盛で気持ちの良い素敵な心意気を持っているという点も大きな魅力の1つだった。(石井野絵)

サバサンド

育った町が少し違って見えた

私は波崎の出身で、高校卒業まで神栖に住んでいた。神栖エリアは、自転車に乗って回れる距離にお店がたくさんあって、自転車推進の効果がすぐに現れそうだと思った。改めてマップをみるとこんなお店があったんだ!という発見も多かった。

波崎はその点少し難しいが、レンズを通して見た漁港の風景はかなり良かった。ロケハンの時にクルマを使わず、自転車で移動していたら、さらに発見があっただろう。

私は、サバは銚子が有名という認識で、かつ、地元ではお馴染みすぎて意識して食べていなかった(地元の友人に聞いても同意見)。サバサンドを推すことで、地元の人にも新しい発見がありそうだ。(玉木希未)
サバサンドを食べる女性

荷物を積んでパパッと買い物

広い海と青い空を横目に、「風」を感じながら自転車で走り抜くのがとても気持ちよかったです。海はやっぱり新鮮で、自転車の乗り心地が最高によかったです。

荷物を積んでパパッと買い物、広い公園や風の気持ちい場所で一息つく。そんな、自転車のある神栖の楽しみ方を体験することができました。

今回訪れたお店や出会った方々は皆さんとても温かく、実際に訪れてみて発見した魅力もたくさんありました。そして街の中を自転車で移動しながら、ここ気になる!というお店をいくつか見かけてワクワクしました。

今回訪れた場所だけでなく、まだまだ探索できる場所がたくさんあるなと感じました。(照屋明花)

風車

小さなカメラの中で永遠の瞬間として記録された

RIDEat Kamisuのカメラマンとして短い二日間を過ごした。

観光客のように、強欲に目にした全ての光景をカメラに収めたいと思った。回転する風車、忙しく働く工場、快走する自転車、走り回る子供たち、打ち付ける大波。小さなカメラの中で永遠の瞬間として記録された。

私のSNSをみた中国の友人たちから、神栖への好奇心と憧れの気持ちが伝わるコメントが届いた。「面白い場所だね」「日本のどこにあるんだ?」「貨物用自転車かっこいい!」「サバサンド、マジ美味そう…」「日本に行きたいな~」

レンズを通して神栖の魅力を感じ取れたこと、またそれを伝えられたことが何よりの収穫だった。(王旭驊)
ピーマンソフトを食べる二人

ピーマンソフトはほんとうにピーマンの味がした

日川浜でのキャンプは初めての体験でした。夜つくったパスタとサバもおいしかった。みなで焚き火を囲む時の雰囲気も最高!本当にステキすぎた。

サバサンド、本当においしかった。普段もカフェとかで食べたいので、神栖市内のカフェのどなたか、商品化お願いします!

ピーマンソフトは本当にピーマンの味がした。想像以上においしいので、これも全国で食べられるようにして欲しい。カメラ担当として、撮影技術を磨く絶好の機会でした。

キャンプ場にいる時も、防災アリーナも、自転車で移動中も、全部楽しかったです。良い思い出になりました。こんどはキャンプ場でマシュマロ焼きたい!(胡越)

すずめの里

自転車でお店を探すのが楽しい

自転車で訪れたのが和菓子屋のすずめの里である。車だと素通りしてしまうかも知れない出会いがあった。

和菓子屋さんとのお話のなかで神栖はサバの名所だとは知っているけれど、サバサンドを食べたことないと言っていたのが印象的だった。サバサンドや自転車に興味を持ってくれたのも嬉しかった。

次に神栖を訪れる時はもっと自転車を使って移動して、車では見つけられないお店を見つけてみたい。神栖は段差が少なく自転車が漕ぎやすくてストレスがない、もっともっと自転車を活用できるまちだと思う。(浜野那緒)

自転車を楽しむみんな

レンタサイクルをきっかけに知る自転車の魅力

松が生えている雑木林や松の苗が植えられている畑を初めて見たので新鮮だった。海に近い場所ならではの景色だった。

レンタサイクルはとても快適だった。ビアンキのミニベロは女性でも乗りやすく、スタイルも良かった。大通りの歩道は幅が広く平滑で走りやすいので、多少距離があっても疲れずに目的地まで行けると思った。

また、セントラルホテルの中にはお土産屋さんも入っていて、観光客も楽しめそうだった。(大村美桜)

 

ライドイートのロゴ

自転車に乗る。自転車を漕ぐ。
モビリティであり、スポーツでもある。
一緒にRIDEしたらすぐ友達になれる。

食べること。人間活動の根幹。
人が集まりコミュニティがうまれる。

 

サバサンドレシピ

サバサンド

クロワッサンバージョン(トルコではバゲットを使うそうです)

材料 1人分
塩サバ 半身(三枚におろしたもの)
クロワッサン 1個
トマト  中スライス 2枚
玉ネギ 適量(スライスして水に晒す)
レタス 1–2枚
ディル 1本
オリーブオイル 適量
マヨネーズ 適量
レモン 1/8 個

1. サバの骨抜きをし、丁寧に水気を拭き取り、グリルで焼く
2. クロワッサンに包丁で切れ目を入れ、オーブンで温める。マヨネーズをたっぷり塗る
3. レタス、オニオンスライス、塩サバ、トマトの順にはさみ、サンドイッチをつくる
4. ケイパーとディルをかざり、オリーブオイルとレモン汁を振りかける
(ディルは無くても大丈夫です)

サバサンドをかじる女性

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