令和5年1月31日(火) 神栖市立軽野小学校の3年生児童を対象に「交通安全教室」が開かれました。
初めに神栖警察署から交通安全についての講話があり、その後、同校出身者で交通機動隊(白バイ隊)所属の黒崎さんから交通機動隊になるまでの経緯や仕事のやりがい等についてお話を聞きました。
交通安全講話 ~みんなに守ってほしいこと~ <神栖警察署交通課長・津田さん>
「茨城県の交通事故は1年間で何件くらい起きていると思いますか?」津田さんが子どもたちに語りかけました。
「124件!」「500件!」「10,000件!」
津田さんは続けます。「昨年だけで、茨城県内で人が怪我する交通事故は6,272件起きています。神栖市内だと207件起きているんですよ。」
また「横断歩道ではどのようなことに気をつけていますか?」と問われると、子どもたちは「手を挙げる!」「前後左右をよく見る!」と積極的に意見を発表。交通事故に遭わないために、自分の命を守るために、どのようなことに気をつけたら良いか皆で意見を出しながら確認しました。
お家に帰っても、家族と交通安全についてぜひ話し合ってもらいたいですね。
交通事故に遭わないために
- 登下校時や自転車に乗るときには必ずヘルメットをかぶること
- 夕方や夜間には反射材のついたタスキなどを着用し車から認識しやすくすること
- 道路に飛び出さないこと
- 横断歩道では手を挙げて車が来ないことを確認してから渡ること
白バイ隊に憧れて <交通機動隊・黒崎琴己さん>
続いて、茨城県警交通機動隊の黒崎琴己(くろさきことみ)巡査長による講話です。交通機動隊は白バイやパトカーに乗り、交通指導取締りや交通安全啓発活動をおこなっています。
講話を始める前に、まずはみんなでストレッチ。リラックスしてお話を聞きましょう。
「初めて警察官になりたいと思ったのは幼稚園の時。」
そう話す黒崎さん。幼稚園の社会科見学で見た、白バイを華麗に乗りこなす女性隊員の姿が印象的だったそうです。
幼稚園の時には、園のおもちゃを落とし物と勘違いし、園を抜け出して目の前にある交番へ届けに行ったこともあったとか。
「そんな私を母は『落とし物を届けて偉いね。将来は警察官になるのかな?』と褒めてくれました。それがとても嬉しくて、今度は家の中にあるTVのリモコンまで交番に届けてしまったんです。さすがに親に怒られました。(笑)」
黒崎さんは軽野小学校の卒業生です。当時はボーイッシュで、ミニバスケットボールのスポーツ少年団に所属する活発な少女でした。中学高校、専門学校でもバスケットボール部に所属し、全国大会で好成績を納めたそうです。
「大好きなバスケットボールを続けて結果を出してきました。今度は夢だった白バイ隊になるために勉強を頑張ろうと思いました。」
警察官になってからは白バイ隊という夢に近づくため、勤務時間外や休日には交通課に出向いてお手伝いをしていたそうです。そして22歳の時に念願の交通機動隊に入隊、ついに憧れの白バイ隊になりました。
白バイ競技大会に出場、見事優勝!
令和4年10月「第52回全国白バイ安全運転競技大会」が開催されました。
大会には男性の部と女性の部があり、女性の部には29都府県警から49人の白バイ隊員が出場しました。この大会で、黒崎さんは見事、女性の部の個人総合優勝を果たします。
白バイ競技大会の動画では、大きなバイクを巧みに操作し、コースを素早く走行する黒崎さんの姿が映し出され、子どもたちからは「格好良かった!」の声があがりました。
白バイの訓練はとても厳しいものだったそうです。
300kgもある大きな車体は、操作するのも一苦労。夜明け前から日が暮れるまで練習に明け暮れ、失敗続きで涙を流しながら訓練したことも。それでも、目標達成シートで目標の具体性を高めたり、常に優勝のイメージを持ち続けたりと、持ち前の負けん気と強い意志をもって努力を重ねました。
「苦しかったり悔しかったり・・・そんな時こそあきらめず努力し続けることが、自分を成長させてくれるのだと思います。」
白バイを近くで見てみよう!
講話後は、実際に黒崎さんが乗っている白バイを見せていただきました。
子どもたちは白バイを囲んで、アンテナやさまざまな計器があること、それらがどのような役割をしているのかを学びました。
サイレンの音がとても大きなことにびっくり。「白バイに乗っていて耳が痛くなりませんか?」といった質問も飛び出しました。
黒崎さんの思い、そしてこれから・・・
黒崎さんは警察官になるという目標、白バイ隊になるという目標、そして白バイ競技大会で優勝するという目標に挑戦し、努力し、そして叶えてきました。
そんな黒崎さんが子どもたちに伝えたい思いとは。
「皆さんはこれからたくさんのことを知り、学び、見て、経験をしていくと思います。その時に興味を持ったことは挑戦してみるようにしてください。失敗しても良いんです。失敗をおそれてあきらめるのは勿体ないと思います。成功するイメージを持って、自分を信じて夢に挑戦してほしいです。」
黒崎さんの、これからの目標は?
「女性警察官だからこそできることを模索中です。安全教育などで多くの県民の皆さんとふれあい、1件でも事故が減れば良いなと思います。そして、私を支えてくれた沢山の方々が、安心できる生活・平和な日々を送れるように恩返ししていきたいです。」
また、神栖警察署からは交通安全についてお話がありました。命はゲームのようにリセットすることはできません。子どもたちには交通安全の約束を今いちど思い返して、事故に遭うことなく元気に日々過ごしてほしいと思います。