2023年11月15日(水) 神栖市立横瀬小学校で、トライアスロン選手の安松青葉さんによる講演会がおこなわれました。
安松選手は神栖市の出身で、横瀬小学校・神栖第三中学校の卒業生です。競技生活の傍ら、2021年から神栖市PR大使を務めています。
今回は横瀬小学校5・6年生を前に、トライアスロンの魅力や夢の実現のために大切なことなどについて、時折クイズを交えながら、楽しくお話をしてくれました。
トライアスロンってどんな競技?
安松選手:トライアスロンには3つの種目がありますが、それは何だか分かりますか?
「水泳!」「自転車!」「走ること!」子供たちは積極的に手を挙げて元気に答えます。
安松選手:そう、スイム(水泳)が1.5km、バイク(自転車)が40kmで、ラン(ランニング)が10kmです。これら3つの種目を続けて約2時間、休む間も無く動き続けます。バイクは時速70kmになることもあるし、スイムではあまりきれいではない川を泳ぐこともあるんですよ。
安松選手:実は、トライアスロンには『第4の種目』と言われるものがあるのですが、知ってる人はいるかな?
「・・・サーフィン?」「メンタル競争!」いったいどんな種目なのか、子供たちにはちょっと難しかったようです。
安松選手:答えは『着替え(トランジション)』です。ウエットスーツを脱いだり、バイクをスタートラインまで押して走ったり、シューズを履き替えたり。そのほんの数秒の差が、後々になって大きな差になることもあるんです。
安松選手:レースではバイクで集団になって走ることがあります。風の抵抗を抑えるためなのですが、集団で協力してスピードを上げていく。そこもトライアスロンの見どころの一つです。
フィジカルの強さはもちろん、協力や駆け引きといった戦略も大きな意味を持つトライアスロン。そしてスポーツマンシップについても語ってくれました。
安松選手:国際大会には様々な国の選手がいます。言葉は通じなくても、ゴールした後はハグや握手でお互いに健闘をたたえ合っています。
小学生の頃の安松選手
安松選手がトライアスロンを始めたのは、小学校1年生の時。父親からのすすめだったそうです。当時はどのような子供だったのでしょうか。
安松選手:低学年の頃は恥ずかしがり屋で、みんなの前で喋れるような子供ではなかったですね。走るのは速くて、小学校の持久走大会では、1年生から6年生まで毎年1位をとってました。
安松選手の低学年の頃の夢は、意外にも「ザリガニ釣り名人」。
安松選手:当時、横瀬小学校にはビオトープがあって、そこでザリガニを探したりしていました。トライアスロン日本代表になりたいと思ったのは高学年になってからです。
トライアスロンで味わった栄光と挫折
オールキッズトライアスロン(小・中学生を対象としたJTU主催大会)では小学1年生から中学3年生までの9年連続で表彰台に。中学3年生では日本選手権U15で準優勝するなど、素晴らしい成績を収めていた安松選手。
安松選手:高校では陸上部に入り、走ることに専念したんです。大学でトライアスロンに再挑戦したのですが、結果はボロボロの惨敗。これではオリンピックなんか程遠い・・・トライアスロンをやめたいとさえ思いました。
それでも前を向き、夢に向かって突き進んだ原動力は何なのでしょうか。
安松選手:これまで19年のトライアスロン人生、絶好調な時もあれば、夢や目標に挫けそうな時もありました。どんな時も、トライアスロンが好きだという気持ちだけは変わらなかった。好きという思いが原動力になっています。
夢の実現のために、今を全力で頑張る
夢の実現のために何が大切なのか、なぜ勉強や部活を頑張るのか、自身の経験を踏まえて語ってくれました。
安松選手:今興味があることについて考えて、調べて、些細なことでも良いので始めてみる。それが夢への第一歩です。夢に向かって何か頑張っている人は、それを自信を持って続けてください。
安松選手:勉強や部活を頑張ることは、将来の選択肢を増やし夢や目標の助けになります。僕は高校で一度トライアスロンから離れたけど、あの時に陸上部で頑張っていたから、今はランが一番得意な種目です。
安松選手:困難や壁にぶつかって、苦しくて逃げたくなることもあるでしょう。でも頑張らなきゃいけないことからは逃げないでほしい。全力で頑張っていれば何とかなります。
講演会の最後には、子供たちから花束が贈呈されました。楽しい時間と素晴らしいお話をありがとうございました。
「僕も皆さんと同じ、夢の途中」と話してくれた安松選手。
2024年にはパリオリンピックが開催されます。オリンピック出場という夢に向かって、全力で頑張る安松選手をぜひ応援してください。
安松選手はSNSやYouTubeでトライアスロンの魅力を発信しています。レースの様子や神栖市のおすすめ動画も。ぜひチェックしてください。