2025年5月8日に神栖市矢田部で国の天然記念物「コウノトリ」のヒナの足環(あしわ)つけ作業が行われました。
神栖市内でコウノトリの自然繁殖が確認されたのはこれで3年連続です。
▼昨年の足環つけ作業の様子はコチラ▼
親鳥は栃木県小山市の渡良瀬遊水地で生まれた「わたる」と「のぞみ」。
コウノトリは同じ巣を使い続ける習性があり、毎年同じ巣で営巣するケースが多く、このペアは一昨年、昨年に続き、この矢田部地区で繁殖しています。
足環つけ作業開始!
作業には神栖市環境課の他に鴻巣市コウノトリ野生復帰センター、兵庫県立コウノトリの郷公園、埼玉県こども動物自然公園、井の頭自然文化園など、コウノトリに関わる様々な機関の方々と共に作業をおこないました。
今回足環つけをするヒナは、生後43日齢(2025年5月8日時点)の3羽です。
ヒナにしては大きく見えますが、コウノトリは約2か月で親鳥と同じくらいの大きさになり、翼を広げると2mほどの大きさになるため、この子たちはまだまだ成長途中です。
ちなみに、コウノトリはヒナの頃に声帯が退化し、鳴くことができない鳥です。
鳴き声の代わりに黒くて大きい口ばしをカタカタさせる「クラッタリング」でコミュニケーションをとります。
少しでもヒナに負担をかけないよう素早く、丁寧に作業を行います。
足環装着と同時に、ごく少量の羽毛や血液も採取します。後日、採取した検体からDNAを解析し、性別などが判明します。
解析の結果、今回足環をつけたヒナは、オスが2羽、メスが1羽と判明しました。
足環は腐食に強いアルミ合金製で、数字で個体を識別できるようになっています。
ヒナたちが巣立ち、大人になってから、再び捕まえなくても遠方から望遠鏡などで識別できるので、コウノトリにも優しく大変便利です。
無事に作業完了!
ヒナたちは巣立つまでの約2か月、もりもりエサを食べて大きくなります。
コウノトリは大食漢で、エサとなる多様な生物を育む豊かな自然環境が不可欠です。
そのため、コウノトリが繁殖に選ぶ地域は、自然がとても豊かであることの証明であり、神栖市が私たち人間にとっても自然豊かで住みやすい環境であることを示しています。
様々な要因が重なり一度は野生絶滅してしまったコウノトリ。
もしコウノトリを見つけた場合は不用意に近づかず、十分な距離(150m以上)を保ち静かに見守ってください。
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