今回は神栖市出身のトライアスロン選手で、9月に開催されるアジア競技大会に日本代表として選出された安松青葉さんに迫ります。
神栖の思い出から競技の魅力、世界を舞台に戦うトップアスリートとしての思いまで、たっぷり語ってもらいました。
神栖と縁の深いスポーツ
皆さんはトライアスロンにどんなイメージを持っていますか?
実は神栖市は絶好の練習環境がそろい、合宿がおこなわれたり、日本のトップ選手を輩出したりするなど、意外と縁の深いスポーツです。
スイム(水泳)・バイク(自転車)・ラン(長距離走)の3種目を連続しておこなうのでとてもハードな競技ですが、初心者でもチャレンジしやすいスプリント(計25.75km)から、ショート(オリンピック、計51.5km)、ミドル(計102km)、ロング(計225.8km)までさまざまな距離のレースがあります。
※距離は大会によって異なります


毎年開催されていた「波崎トライアスロン大会」の様子(広報かみす2007年10月1日号)

安松青葉選手
今回は、日本選手権で優勝し、オリンピック代表の有力候補として注目される安松青葉選手が、合宿地のフランスからリモートで、いろいろな質問に答えてくれました。
練習環境に恵まれて、小学生時代から全国優勝
Q 小学1年生の時にトライアスロンを始めたきっかけと、競技に夢中になった理由は?

小学校に入学する前から、父親と家の周りを走ったり、サイクリングをしたりしていました。
その流れで、小学1年生の時に千葉県で開催されたキッズ大会に出場したら、いきなり優勝することができたんです。
自分よりも父親の方が乗り気で、二人三脚でトライアスロンに取り組んできました。
正直なところ、小・中学生の競技人口は少なく、練習をちょっと頑張れば全国大会で表彰台に上がれる状況でした。全国優勝すると、学校の全校集会で表彰されたり、周囲からちやほやされたりして(笑)、それがうれしくて続けていた感じです。

2006年「オールキッズ・トライアスロン大会」小学3年男子の部で優勝した安松さん

子どもの頃の安松さんの活躍を紹介した『広報かみす』(2009年10月1日号)
Q 神栖市はトライアスロンのトレーニングがしやすい環境ですか?

大会ではプールではなく海、川、湖などで泳ぐので、海が近くにあることは非常に大きな要素です。
また、自転車のトレーニングは信号が多いと乗りづらいのですが、神栖市にはリバーサイドサイクリングロードがあり、鹿島臨海工業地帯の辺りでも周回コースを設定できます。
ランについても、神之池緑地公園や神栖総合公園など走りやすい公園がたくさんあります。
3種目とも練習のしやすい環境がそろっているので、大学生の時には、私がみんなに声をかけて神栖市で合宿をしました。

神之池緑地
Q トライアスロンの魅力とは?

自分と向き合うスポーツであり、弱い自分に打ち勝った時の“達成感”が最大の魅力です。
だから挑戦したくなるのだと思います。
トップアスリートの日常
Q 一年間の主なスケジュールを教えてください。

年間15〜18レースに出場し、3〜11月のシーズン中に、多い時は3週連続とか4週連続で大会があります。
合宿は2月、7月、12月の年3回、それぞれ1カ月ずつおこないます。
夏場はよく長野県・湯の丸高原で合宿をしますが、今年はフランスの標高1800メートルの高地で合宿をしています。強い海外選手と一緒に練習をして、海外の練習環境を知ることが目的です。

トライアスロンは、スイム・バイク・ランの3種目を続けておこなう競技。ラテン語の「3」を意味する「トライ」と、「競技」を意味する「アスロン」が語源といわれている
Q トライアスロン競技の普及にかける思いを教えてください。

競技について、世の中では、まだあまり知られていません。
そこで、コロナ禍で大会が少ない時期にYouTubeを始めました。
日本代表や強化指定選手が自ら発信することは少ないので、競技のことに加え、遠征の様子や海外事情なども交え、少しでも興味を持ってもらえるよう工夫しています。
安松選手はYouTubeのほかInstagramでもトライアスロンの魅力を発信しています。レースの様子や神栖市のおすすめ動画も。ぜひチェックしてください。
YouTube「あ・おばちゃんネル#安松青葉」
安松青葉Instagram
アジア大会金メダルとオリンピック出場を目指す
Q 2025年の日本トライアスロン選手権で初優勝した時の気持ちと、勝因を教えてください。

優勝を目指すというより、ライバルである大学の先輩選手に勝ちたいという気持ちが強かったですね。
得意とするランで最後まで競り合って、スパート勝負まで持ち込めたことが勝因だと思います。

第31回日本トライアスロン選手権で優勝(中央)
Q 9月20日・21日に開催されるアジア競技大会への意気込みを聞かせてください。

アジア競技大会でメダル第1号の可能性があるのがトライアスロン男子なので、金メダルを取りにいきます。
また混合リレー競技もあって、女子選手の強い中国が最大のライバルですが、リレーでも金メダルを狙います。
Q 2028年のロサンゼルスオリンピックへの思いを聞かせてください。

前回のパリ大会は、入れ替え候補選手で出場はできませんでした。
ロサンゼルス大会に向けた選考レースは、日本選手権優勝、日本ランキング2位という好条件でスタートを切っています。
これから実力をどんどん上げて、オリンピックをベストな状態で迎えるための準備をしていきます。
神栖に生まれたから、世界で戦う今がある
Q どんな子ども時代を過ごしましたか。神栖市で思い出の場所や、好きな食べ物は?

外で遊ぶことが多く、ひかり街区公園や母校の横瀬小学校で鬼ごっこや缶蹴りなどをしました。
また神之池緑地は、ランの練習や駅伝大会出場などの思い出がたくさんあります。
好きな食べ物は〝究極のメロンパン〟。大学の合宿では、チームのみんなに配って食べてもらいました。
〝究極のメロンパン〟について知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
Q 神栖市PR大使として、地元への思いを聞かせてください。

そもそも神栖で生まれていなかったら、トライアスロンをしていなかったと思います。
自分が育ってきた環境、周囲で支えてくれた人たち、地元でお世話になった方々への恩返しという意味でも、トライアスロンで結果を残して、神栖から世界へ挑み、戦っている姿を見せたいと思っています。

神栖市PR大使としても活躍中
神栖市PR大使についてはこちらをご覧ください。
皆さんの応援が力に
Q トライアスロン競技の見どころや、観戦を楽しむコツは?

スイムは水しぶきが上がって泳ぐ選手を見つけにくいのですが、水から上がって自転車に向かうトランジションは見どころの一つです。
自転車は時速40km以上で集団が通り過ぎるので、スピードが落ちる折り返し地点がおすすめです。
選手を一番見やすいのはランで、終盤の苦しいところで名前を呼んで応援していただけると、「ここで負けられない」とポジティブになれます。
応援は本当に力になります。

2026世界トライアスロン横浜大会では、51.5kmを走破し、日本勢最高の11位の好成績を収めた
Q 神栖の子どもたちに伝えたいことは?

2023年に母校の横瀬小学校で講演をしたときも、夢を持つ大切さについて話しました。
まだ将来の目標が決まっていなくても大丈夫です。いま何か夢中になれることや夢があるなら、それに向かって努力したことは決して無駄になりません。ぜひ夢中になれることを見つけてください。
安松選手が、母校の横瀬小学校を訪問した様子はこちらからご覧いただけます。
Q 市民の皆さんへのメッセージをお願いします。

トライアスロンを国内で観戦するチャンスはそう多くありません。
そんな中、約32年ぶりに日本で開催されるアジア競技大会に、神栖市出身の私が出場します。
9月に愛知まで応援に来ていただけたら、とてもありがたいです。
ぜひ、多くの市民の皆さんにトライアスロンを実際に見て、競技を知っていただきたいと願っています。
スポーツの秋。
神栖市では秋に気軽にさまざまなスポーツを楽しめるスポーツレクリエーション祭を開催します。皆さんもこの秋、スポーツを通してワクワクする体験をしてみませんか?
広報かみす2026年9月号の12、13ページでスポーツレクリエーション祭について詳しく紹介しています。
(この記事は広報かみす2026年9月号の「神栖ディスカバリー vol.39」から抜粋・加筆・アレンジし掲載しています。広報紙は下記リンク先よりご覧いただけます。)
こちらの記事についての動画も公開しています。ぜひご覧ください。
● カミスミカcolumn
トライアスロン大会in波崎 ー 数々の主要大会の舞台に!
トライアスロンは1974年にアメリカ・カリフォルニア州で誕生したスポーツです。
日本では、1981年に鳥取県で最初の大会が開かれました。1989年にはフランスで第1回世界選手権大会が開催されています。
1987年には神栖市(旧波崎町)で、第1回全日本トライアスロン選手権大会が開催されました。
そして1992年に、全日本トライアスロン選手権大会と併せて第1回アジア選手権が開催されています。

大会のようすを紹介する広報はさき(1992年11月号表紙)
8ヵ国から約800人が参加し、地元からは18人がエントリー。波崎漁港を発着点とし、シーサイド道路から波崎工業団地を回るコースで行われました。
また、大会後にはトライアスロンの講演会、講習会、写真コンテストなどが開かれています。
回を重ねるごとに地元の出場選手が増え、アメリカやオーストラリアの選抜選手も参加した1994年の全日本トライアスロン選抜大会in波崎では、一般の部・チーム戦で地元チームのWAVES・aチームが準優勝を飾っています。

地元チームが好成績を収めた1994年の大会(広報はさき1994年10月号表紙)
1996年には、第2回日本トライアスロン選手権波崎大会が開かれるなど、数多くの主要大会の舞台となってきました。
2000年のシドニー大会からオリンピックの正式種目となり、世界的な注目がますます高まっています。
2028年ロサンゼルス大会には、神栖市出身・安松青葉選手の出場が期待されており、神栖市でトライアスロンブームが巻き起こるかもしれません!






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