生きる基本となる食育。育ち盛りの子どもたちが食に興味を持ち、運動を楽しみながら正しい知識を身につけるための取り組みが、神栖市を含む鹿島アントラーズのホームタウンでおこなわれています。
食とサッカーがつながる独自の食育に迫ります。


市内の全小学校で巡回授業
神栖市民の皆さんにとって鹿島アントラーズは身近な存在であり、選手たちに憧れて、スポーツに励む子どもたちもたくさんいます。
世界大会が開催されサッカーが一段と盛り上がる中、市内の小学校(全14校)にアントラーズ食育キャラバンがやってきました。


これは、鹿島アントラーズがホームタウン5市(神栖市、鹿嶋市、潮来市、行方市、鉾田市)の小学生を対象に、2014年から実施している巡回授業です。これまでの12年間で延べ140回開催し、1万1400人を超える児童が参加しています。
特徴は、プロサッカークラブとして培った食事や運動のノウハウを地域に還元することを目的として、選手たちが登場するオリジナル教材を使い「食」の大切さを伝えたり、スクールコーチの指導で運動の授業をおこなっている点です。
今回は、深芝小学校と波崎小学校で実施した、食育キャラバンの様子をお伝えします。
この日を楽しみにしていた子どもたちは、ワクワクしながら体育館に集合。鹿島アントラーズの公認スポーツ栄養士やスクールコーチを笑顔で迎えました。
6つのバランスを目指せ!栄養ダブルハットトリック
まず、公認スポーツ栄養士・松田幸子さんの食育講座からスタートしました。

公認スポーツ栄養士・松田さんの食育講座
スクリーンには公式マスコットのしかおファミリーやサッカーボールが映し出され、子どもたちは興味津々。
5大栄養素をサッカーのポジションにたとえたり、主食・主菜・副菜・汁物・乳製品・果物の6つをバランスよくとれる食事を「栄養ダブルハットトリック型」と呼んで、分かりやすく話を進めていきました。

今は体づくりをするための大切な時期です。運動・食事・睡眠の3つの柱をしっかりそろえましょう。
そこで質問です。皆さんは昨日、何時に布団に入りましたか?
など、子どもたちに問いかける場面も多く、子どもたちは自分のこととして捉え、一つひとつ考えながら知識を吸収していきました。

鹿島アントラーズの選手が登場するオリジナル教材

うちに帰ったら、冷蔵庫探検をしてみましょう。
楽しい宿題も出され、教材に今日から取り組む目標を記入して講座が終了しました。

幼稚園児から小学生くらいの間は味覚が育つ時期なので、いろいろなものを一口でも食べることで味覚が成長し、好き嫌いなく食べられるようになっていきます。
特にスポーツをするお子さんは、合宿や遠征先で食べられないものが多いと体調を崩す心配があるので、日頃から“食べるチャレンジ”を心がけてほしいですね。
スクールコーチ直伝のサッカーボールを使った運動
さあ次は、鹿島アントラーズスクールコーチによる運動の授業です。
深芝小学校では池田耕平さん、岩倉翼さん、小熊樹稀さん、波崎小学校では櫻井翔太さん、小室真綾さん、松村一郎さん、結束太亮(けっそくたいすけ)さんが指導にあたりました。

左から岩倉さん、松田さん、池田さん、小熊さん(深芝小学校にて)

左から小室さん、松村さん、結束さん、櫻井さん(波崎小学校にて)

最初はチームでボールを手渡ししていく簡単なゲームから始まり、次は手を使ったパス、足で蹴るパスへと少しずつ難易度を上げていきます。
サッカーボールに慣れたら、ドリブルをしながら三角コーンを回り、その下に隠れている円盤状のマーカーを探すゲームに挑戦。チーム対抗で、集めたマーカーの数を競います。




子どもたちは負けん気を発揮して競技に熱中し、チームの仲間に声援を送っていました。
波崎小学校ではアントラーズスタッフの大人チームも参加。大人が真剣に取り組むことで、子どもたちの本気を引き出します。
最後にマーカーの枚数を数えると、一番多かったチームは飛び上がって喜んでいました。

小学校には運動が苦手な子やサッカーに興味のない子もいますが、みんなが“体を動かすのは楽しい!”と思えるように配慮し、スポーツやサッカーへの興味を育むことを目指しています。

運動を通して、食事や睡眠とのつながりや、頭を使って体を動かすことを意識してもらうよう心がけています。
最初は運動が苦手と言っていた子が、最後は笑顔になってくれたりするのがうれしいですね。
子どもたちに伝わった食の大切さと運動の楽しさ
運動をしておなかがペコペコになったところで給食の時間となり、みんなそろって教室へ移動。
さあ楽しい給食の時間
スクールコーチといっしょに給食
今日のメニューはこれ!
地元でとれた食材は新鮮で栄養素が豊富
神栖市の特産物、ピーマンについて、次の記事で紹介しています。

食生活を見直す良いきっかけになりました。
自分に足りない栄養素があることに気がついたので、栄養ダブルハットトリック型の食事を心がけようと思います。
(深芝小学校6年)

食事をする理由や栄養の話に説得力があり、深く伝わってきました。
運動は苦手でしたが、コーチが面白くて、チームで団結してできたので本当に楽しかったです。
(深芝小学校6年)

サッカーを習っていて、将来の夢はサッカー選手。
今日はコーチに教えてもらっていろいろな運動ができて楽しかったです。
教材のパンフレットは宝物になります。
(波崎小学校5年)

食について勉強になり、特に印象に残ったことは栄養ダブルハットトリック型です。
自分の朝食は主食中心なので、もっと主菜など食べる項目を増やしていこうと思いました。
(波崎小学校5年)
子どもたちそれぞれに、食の大切さ、運動の楽しさがしっかりと伝わったようです。
神栖市の給食の取り組みについては、神栖市子育て・移住定住ポータルサイト「かみす移住・子育てさみっと」の下記の記事でご紹介しています。
様々な国の「世界の料理」を学校給食で提供皆さんは「学校給食」というと、どんなメニューを思い浮かべますか?神栖市では和洋中の定番メニューだけではなく、子ども達に様々な国の「世界の料理」も提供しています。
恵まれた環境で心身を育む
「神栖市の子どもたちは、元気なあいさつが身に付いていますね。集中力があって、積極的に取り組んでくれるので、私たちも楽しかったです」と、松田さんとコーチたちは声をそろえます。
「神栖市の環境はとても恵まれている」という意見も一致しました。

神栖は食の宝庫だと感じます。特にピーマンは苦味がなくておいしいですね。

私たちは市内の幼稚園にも巡回指導に行きますが、幼少期からサッカーや運動に触れる機会があり、合宿施設やグラウンドなどの施設も整っているので、とても贅沢な環境だと感じています。

神栖総合公園サッカー場
食育は生涯にわたって大切なもの。神栖市では、食育だよりや神栖市食育推進冊子「みんなのごはん応援BOOK」を作成し、食生活改善推進員や地域食育サポーターも活動しています。
ホームタウンならではの楽しい食育と恵まれた環境が、子どもたちの心や体、将来の夢まで育んでくれています。
(この記事は広報かみす2026年7月号の「神栖ディスカバリー vol.37」から抜粋・加筆・アレンジし掲載しています。広報紙は下記リンク先よりご覧いただけます。)
こちらの記事についての動画も公開しています。ぜひご覧ください。
● カミスミカcolumn
アントラーズ選手と学ぶ食育パンフレット
子どもたちに配られた教材パンフレットは、公認スポーツ栄養士の松田さんが監修したものです。
5大栄養素をそれぞれ、炭水化物はフォワード、ビタミンはミッドフィルダー、たんぱく質はセンターバック、脂質はサイドバック、ミネラルはゴールキーパーと、サッカーのポジションに例えています。

ゴールキーパーの説明では、世界大会の日本代表に選ばれた早川友基選手の名前を挙げるなど、子どもたちの興味を引きつけました。
また、目に見えない栄養を見える化するために考案したのが、「栄養ダブルハットトリック型」の食事。サッカーで1人が6得点をあげることを指す「ダブルハットトリック」にちなみ、主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物の6種類をすべてバランスよく取ることを目指しています。「あと何点足りないな」と楽しみながら栄養バランスを考えることができます。
また紙面には、鹿嶋市出身で鹿島ユースからトップチームに昇格した大川佑梧選手をはじめ、今年加入した林晴己選手、藤井陽登選手が登場。ユース選手(高校生)の寮で人気の献立や、食事の姿勢、正しい箸の持ち方なども選手の写真とともに紹介しています。


鹿島アントラーズユース選手寮の食事拝見!5大栄養素のバランスがとれた食事を実践しています
運動をすれば自然におなかが減って、食事と睡眠で回復し、また明日になれば元気に運動ができる。そんな「食」と「運動」のつながりを楽しく子どもたちに伝える、アントラーズ食育キャラバンの魅力が詰まった教材パンフレットです。
鹿島アントラーズWEBサイトの、下記のページでご覧いただけます。




